 11月のある日曜日。聖ニコラスがズワルト・ピート達をお供に連れて、蒸気船に乗ってスペインからアムステルダム中央駅へとやって来ます。多くの人々が子供達をつれて聖ニコラスとズワルト・ピート達を出迎えようと集まり、この模様はテレビでも生中継されます。子供たちは声を合わせて歌ったり、聖ニコラスやズワルト・ピートの名を口々に叫んだりし、ズワルト・ピート達は手に持っている袋の中から子供たちに向かってクッキーなどのお菓子を投げてくれます。そしてその後、聖ニコラスは白馬に乗ってアムステルダム中をパレードして回るのです。
実際の聖ニコラスがどんな聖人だったかというと、正確なことは分からないそうですが、一般的に4世紀のトルコの司教だったという説が有力。9世紀にはイタリアで崇拝されるようになり、その後オランダに聖ニコラスの名が広まった時点で、なぜか「イタリア」が「スペイン」に変わっていたそうです。それで聖ニコラスのお供であるピート達の肌が黒いのかも知れません。というのもスペインは何百年も肌の黒いムーア |
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人達に統治されていたからです。 では、名前の似ているサンタクロースとはどの様な関係なのでしょうか?実はこの聖ニコラス伝説が17世紀、オランダ人の移住とともにアメリカに渡り、長い年月を経て現在のサンタクロースへと変わっていったと考えられているのです。白馬はトナカイに代わり、体型は太っちょにはなりましたが、サンタクロースは聖ニコラスを起源としているのです。
現在のオランダでは、聖ニコラスのお誕生日と、キリスト降誕祭であるクリスマスの両方を祝います。ただ、聖ニコラスのお祭りは子供達が主役となる楽しいお祝いで、クリスマスはより宗教色の強い、厳粛なお祝いであると考えている人が多いようです。
(上写真)「11月19日アムステルダム」/「聖ニコラスの到着」 |
 聖ニコラスがアムステルダムに到着する11月頃になると、オランダのショップウィンドーは聖ニコラスにちなんだディスプレーで飾られ、お祭り気分を高めてくれます。実際は、聖ニコラスのお誕生日は12月6日なのですが、クリスマスと同様、プレゼントを交換して一番盛り上がるのは5日の前夜祭。お祝いの方法は家庭ごとに様々ですが、聖ニコラスの存在を信じている子供達は、たいてい4日の晩にプレゼントを入れてもらうため、暖炉やラジエーターの横に、自分達の靴を置いておきます。靴の側には聖ニコラスの馬のために、ニンジンと水が置かれ、子供達は聖ニコラスを称える歌を歌ってから眠りにつきます。そして前夜祭当日。ちょっと変わっているのが、プレゼントに贈り主自作の詩が添えられるということ。
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この「詩」はプレゼントを贈られる人をからかったりする、面白いものにするのが習慣です。となるとこの詩作はオランダ人にとっても少々やっかいらしく、この季節には口の中でブツブツと詩を作りながら歩いている人を見かけることも多いとか。そしてプレゼントの「渡し方」もユーモアたっぷりで、最初の包みを開けてみると、謎かけになった指示が書いてある紙が入っているだけ。謎を解いて次の包みを見つけて開けてみると、また次の指示が待っている…なんていうこともあるそうです。 子供達にとっての聖ニコラスは、単に「プレゼントを持って来てくれるおじいさん」ではありません。聖ニコラスは何でも知っていて、良い子には贈り物をくれますが、悪い子にはお仕置きをするのです。パーティーに聖ニコラスが現れると、聖ニコラスは何でも書いてある大きな本を取り出します。そこには、子供達がその年にやった事がちゃんと書いてあるのです。そして1年間良い子でいた子供達はそのご褒美を受取ることが出来るというわけです。もちろん、パーティー会場でお仕置きされてしまうような悪い子なんていないのですが…。
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 観光でオランダに訪れて、聖ニコラスのお祝いをするのは、ちょっと無理かも知れませんね。でも大丈夫、この時期のオランダには、他にも色々な楽しみ方があるのです。世界に名高いロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は、この季節多くの素晴らしいプログラムを用意していますし、多彩な博物館や美術館巡りも楽しい。ちょっと体が冷えたら、温かいコーヒーやお茶で一息つくのに最適なおしゃれなカフェが数多くあります。そして、もちろん楽しいショッピング。アムステルダムには素敵なショップがたくさんありますが、この時期にはオランダ各地でクリスマス・マーケットが開催され、クリスマス・デコレーションの小物やカードなどを、リーズナブルな値段で買い求める事ができるのです。

マーストリヒトの近く、ファルケンブルグでも、11月末頃からクリスマス・マーケットが開かれます。ここはオランダには珍しい山間の町で、温泉が出るとい
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| う事でも有名ですが、この時期、街中はまさにクリスマス一色といった感じ。マーケット以外にもクリスマス関係のグッズを売る店が何軒もある上、カフェやレストランはどこも競ってデコレーションを施し、サンタも繰り出してクリスマス気分を盛り上げてくれます。マーケットは街の中心部からすぐ近くにある2つの洞穴の中で開催され、クリスマス関係のグッズはもちろん、プレゼントに良さそうな置物やアクセサリー、CD、服、かばんやお菓子などなど、様々なものが売られます。会場内にはカフェがありますが、Gemeentegrotマーケットには、DJ兼シンガーがいたり、子供たちのためのメリーゴーランドまであり、買い物だけではないエンターテイメントを提供します。こういったマーケットは近隣国でも有名らしく、ベルギーやドイツ、そして海を越えてイギリスからも、バスツアーなどで買い物客がやってくるということです。 この様に、冬のオランダには楽しいことがいっぱい。この国の魅力はチューリップや風車だけはないのです。「冬を知って初めてその国を本当に知った事になる」と言いますが、冬のオランダを楽しんで、オランダをもっと良く知っていただきたいと思います。 |
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